徐々に新型コロナウィルスの感染が拡がっており、連日、報道番組では新型コロナ関係の報道が続いていますね。
幸いにも私の周辺では、感染者が出たというニュースは聞きませんが、そこまで忍び寄っていることを考えると不安になります。
日本全体に不安が渦巻いているような状況ですが、やはりこういう状況だからこそデマが飛び交っています。
現時点で確認されているデマは以下のようなものがあります。
○ トイレットペーパーの品薄
○ 27℃のお湯でウィルスが死滅
○ 飲酒でウィルスを消毒できる
○ 花崗岩でウィルスを消毒できる
(こういった社会的な不安が高まるタイミングでデマが拡散することを『インフォデミック』(情報(インフォメーション)と病気の流行(エピデミック)を組み合わせた造語)と呼ぶそうです。)
情報が溢れている社会だからこそ、自分自身で情報の信ぴょう性を判断し、取捨選択必要があります。
自分自身も、普段から出来るだけ情報の根拠を調べてから対応するようにしていますが、新型コロナ対策で個人的に気になった情報があったので調査してみました。
緑茶と新型コロナウィルス関する研究結果
Twitter上で見つけた情報ですが、
浙江省疾患防止センターの試験:
緑茶、紅茶と烏龍茶の三種類のお茶を使ってコロナウィルスの培養を行ったところ、その増殖と成長が著しく抑えられた。緑茶の殺菌力が最も高い
ということです。
実際のツイートは以下になります。
緑茶はコロナウィルス・キラー
— 宋 文洲 (@sohbunshu) February 27, 2020
浙江省疾患防止センターの試験:
緑茶、紅茶と烏龍茶の三種類のお茶を使ってコロナウィルスの培養を行ったところ、その増殖と成長が著しく抑えられた。緑茶の殺菌力が最も高い pic.twitter.com/aw3IsaAVJG
このツイートでソースとなっている「浙江省疾患防止センター」ですが、中国語では「浙江省疾控中心官」となり、本国のニュースサイトでもこの研究結果は話題となっています。
中国の国営通信である中国新聞社のウェブニュースでも取り上げられていました。
http://www.chinanews.com/gn/2020/02-28/9108344.shtml
中国での情報は政府によって強く制限されており、デマなどを流した場合に罪に問われます。
更に、国営通信からの報道ですから、情報の信ぴょう性としては比較的高いと考えられます。
(ここでは、テーマの性質上、中国政府による情報の隠ぺい・改ざんなどの可能性については触れません。)
この情報を見る限り、研究結果自体を信じることは出来るのではないでしょうか?(昔から緑茶の殺菌力には定評がありますし。)
次にこれまで分かっている緑茶の殺菌効果について触れていきます。
緑茶の殺菌効果とは
私自身、漠然と緑茶に殺菌効果があるということは知ってはいましたが、あくまで身の回りの年長者(祖母、母)からの情報で、科学的な根拠までは把握していませんでした。
そこで調べてみると、大手の緑茶飲料メーカーである伊藤園が、静岡県立大学薬学部と共同で「緑茶の殺菌作用」について研究成果を発表していました。
レポート03 緑茶成分によるインフルエンザ予防 ~新型インフルエンザの感染も抑制~
緑茶に多く含まれるポリフェノール成分の一種「カテキン」に抗ウイルス作用があり、緑茶を飲むことでインフルエンザの予防が期待できると発表した。そして、毎年流行する季節性のインフルエンザに加え、新型インフルエンザの感染も抑制できるとしている。
この研究では、医療施設の職員を2グループに分け、5カ月間、片方のグループだけに緑茶成分の「カテキン」と「テアニン」(茶葉に含まれるアミノ酸の一種。免疫力増強作用を持つ)を投与。インフルエンザの感染状況に違いがあるか検証した。結果は「カテキン」と「テアニン」を摂取し続けたグループは97人中4人(発症率4.1%)が感染したのに対し、接種しなかったグループは99人中13人(発症率13.1%)が感染するなど、明確な違いが出た。
引用: FNN PRIME
また、なぜ「カテキン」がウィルスに対し殺菌効果持つか、ということについて、共同研究に携わった静岡県立大学薬学部の鈴木隆教授は以下のようにコメントしています。
緑茶には、インフルエンザウイルスに直接作用して感染を阻害する成分があります。カテキンの一つである「エピガロカテキンガレート」はその代表です。インフルエンザウイルスの表面には「スパイク」と呼ばれる突起状のタンパク質があり、これを利用して喉などの細胞に感染します。「エピガロカテキンガレート」はこのスパイクに取り付き、ウイルスが細胞に吸着することや、感染した細胞内で新たに作られたウイルスが広がることを抑えます。
引用: FNN PRIME
結論
今回の調査で、「緑茶」の新型コロナウィルスに対する有効性について調べました。
その結果、調べるきっかけとなったツイートについて、根も葉もないデマではない、ということは確認できました。
ただ、問題は「緑茶」、「紅茶」、「烏龍茶」を比較した場合、「緑茶」殺菌力が高かった、だけであり、それを飲めば新型コロナ対策になるかどうか、の結論は出ていないということなのです。
現在、新型コロナウィルスへの消毒として効果が確認されているアルコールなどと比較したデータなどは存在しませんでした。
また、研究室での試験条件をそのまま人体に置き換えることは出来ません。
つまり、今回のツイートを受けて、「緑茶を飲めば感染しない」「緑茶を飲めば感染しても治る」といったことには繋がらないのです。
もしそのようなことを言っている人がいれば、それは「デマ」となります。
ただ、事実として、緑茶の殺菌効果が他の飲み物に比べて高いことは分かりましたので、意識して普段の生活の中へ取り入れていくことは予防としては効果的ではないでしょうか?
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