新型コロナ、希望者全員へ検査を行うと医療崩壊につながることが明らかに!イタリアに学ぶべきこと

新型コロナウィルスの感染拡大が世界的に拡がっていますね。

国内でも日々感染者が増加していく中で、未だ見通しの立たない状況に不安は募ります。

連日、感染拡大やイベント自粛、デマや転売関係の報道ばかりが目立ち、なかなか気持ちが晴れません。

そんな中、イタリアで『医療崩壊』が起こったというニュースが流れています。

医療崩壊とは

『医療崩壊』という言葉を調べてみると以下のように定義されていました。

医療安全に対する過度な社会的要求や医療への過度な期待、医療費抑制政策などを背景とした、医師の士気の低下、防衛医療の増加、病院経営の悪化などにより、安定的・継続的な医療提供体制が成り立たなくなる、という論法で展開される俗語である。

– Wikipediaより引用

つまり、現状に関していえば、「過度な社会的要求や医療への過度な期待」という部分が当てはまると思います。

新型コロナに対する不安から医療に対しての要求が大きくなり、病院や医師や設備などが足らなくなってしまうことで、必要な人へ必要な医療が届けられなくなる事態になってしまっていると言えます。

こうなってしまうと、結果として感染者の拡大、死者の増加につながってしまいます。

イタリアの現状

3月10日現在、イタリアでの感染者数は計1万149人、死者は計631人となっており、中国を含め世界で2位の数字となっています。

ここまで急速に感染者数が増加した背景には、新型コロナに対しての検査を徹底してきた事が挙げられます。

イタリアでは、感染拡大を防ぐ目的で感染者を確定させるために、軽症の患者も含め、これまでに5万4千件以上の検査を行ってきました。

その結果、あっという間に病床が埋まり、医療関係者や医療設備の不足から感染に拍車がかかった可能性があります。

また、検査を受けるために訪れた病院でのクラスター感染が多く報告されています。

感染の拡大を受けてイタリアは、全土で個人の移動制限を発動したり、引退した医師や卒業間近の看護学生を召喚したりなどして対応に追われています。

そのような状況の中、3月9日イタリアのメディア『イル・ジョナーレ』がミラノの医師へのインタビューを掲載しました。

タイトルは『すべての患者に挿管はできない。60代以上は無理だ』です。

記事によると、医療現場では医師不足・医療装置不足が深刻化しており、特に人工呼吸器の数が圧倒的に不足しているようです。

有効な治療薬がない中、重症患者は人工呼吸器を装着して免疫の回復を待つしかありません。

肺炎で呼吸がままならない中、人工呼吸器は生命維持のため必要不可欠な装置ですが、その数が足らないことは重症者の生死に直結します。

その結果、回復の見込みが高い50代以下の患者に優先的に人工呼吸器を使用する選択をせざるを得ない状況になっているそうです。

このように生命の取捨選択をしなければならないほど、イタリアの医療現場は追い込まれているのです。

日本のPCR検査の現状

一方日本では、感染拡大当初から「検査条件が厳しい」という指摘がなされていました。

当初は検査対象者が中国・武漢からの帰国者や帰国者への濃厚接触者に限られていましたし、現在でも発熱が3日以上続いたりして肺炎の症状が見られる場合や、重篤な呼吸器感染症の疑いがある場合に限り、専門機関でPCR検査を受けることが出来ます。

つまり、一般的な医療機関での検査は出来ませんし、専門の医療機関でも症状が重くならない限り検査はして貰えない、ということです。

過去の記事で詳細を書いています。

詳しくは以下をご覧ください。

新型コロナ、PCR検査の自己負担は?それよりも検査体制の見直しを。。。

まとめ

今でこそ落ち着きつつありますが、中国の後に日本で感染拡大が始まり、世界的からみて日本の対策不足が感染拡大を招いた、とする意見が多くありました。

水際対策での失敗に始まり、新型コロナウィルスに対する検査体制が不十分である、という批判が多かったんですね。

海外に行くと、中国人と同様に日本人も戦犯扱いで、渡航先で「ハラスメントを受けた」という報告が多く上がっています。

実際みなさんもそうかと思いますが、管理人自身も「なぜ希望者に対し検査を行うようにしないのか」と、とても疑問でした。

ただ、今回のイタリアでの医療崩壊の状況を見る限り、こういった事態を避けるための措置だったのか、と考えさせられました。

一旦、国内での感染が発生し、市中感染が認められた以上、感染の拡大を完全に食い止めることは不可能だと思います。

これはインフルエンザを見ても明らかだと思いますが、今のように予防や対策が浸透している状況でも、毎年インフルエンザの感染者は発生しているのです。

ただ、冷静になって受け止めれば、3月10日現在で国内感染者は計552人、死者は計10人となっており、国内での致死率は1.8%です。

もちろん世界的に見れば、それぞれはるかに大きな数字となりますし、WHOも致死率を3.4%に引き上げましたが、日本と海外の医療環境の違いを考えると、状況を同じに考える必要はないと思います。

いずれにしても、致死率は決して低い数値ではありません。

ただ、だからといって希望者への全数検査を実施すれば、イタリアの医療崩壊を招きかねません。

結果として本当に必要な人へ必要な医療が届けられなくなるのです。

そういった事態を避けるためにも、一人一人が現状直面している状況を理解し、出来る範囲で感染を予防していく必要があります。

(追記:2020/03/12)

イタリア政府は小売店と薬局を除くすべての営業停止を発表

イタリア政府は新型コロナの感染拡大を受けて、小売店(スーパーマーケットなど)や薬局を除くすべての一般向けの営業を3月12日から15日間停止すると発表しました。

尚、これらに企業は含まれていませんが、必要不可欠ではない部門の業務停止を求めています。

また、列車などの公共交通機関は継続するようで、配管、機械関連業務やガソリンスタンドなど生活インフラとして必要不可欠と考えられる営業もも継続するそうです。

孫正義が100万人へ無償PCR検査を提案

昨日ソフトバンクの孫正義さんが新型コロナに関するツイートをして炎上しています。

PCR検査を受けられなくて困っている人の声を受けて、100万人に対し簡易PCR検査を実施する、と表明したのです。

個人的にこれは絶対に実行してほしくないです。

イタリアの状況を見れば明らかなように、医療崩壊からの感染爆発が容易に想像できます。

なお、ツイート後、多くの批判的な意見が集中し、最終的には「評判悪いからやめようかな」とツイートしています。

ただ、ツイートへのコメント欄には「是非やってほしい」という意見も多く、先行きが思いやられます。。。

(他にも新型コロナウィルス関連の記事を書いています。お時間があればご一読ください。)

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