NGT 山口真帆 卒業公演が前代未聞の花道に

皆さん記憶に新しいかと思いますが、昨年12月、新潟を拠点とするアイドルグループ「NGT48」のメンバーである山口真帆さんが自宅に押しかけたファンに暴行を加えられる、という事件がありました。

この事件は、単なる傷害事件に留まらず、他の「NGT48」メンバーによる個人情報のリークが行われていたり、運営側の隠ぺい工作が明るみに出たり、と大変多くの疑惑が絡んだものでした。

・文春が公開した事件の相関図

山口真帆さんは被害者の身でありながら、こういった闇の部分を明らかにするべく様々な圧力に対して戦っていました。

そんな彼女が4月21日、101日ぶりに新潟市内の専用劇場で千秋楽公演に出演しました。

開幕から寸劇に登場すると、時折笑顔の見られるシーンもあり、ネット上ではファンから安堵の声が上がっていました。

しかし、公演の最後に「私にNGT48のためにできることは、卒業しかありません。」と衝撃の卒業を発表したのです。

本人から卒業を発表する際、想いの丈を綴った文章を読み上げています。

卒業発表全文

 山口が読み上げたコメント全文は以下の通り。

私、山口真帆はNGT48を卒業します。
今日はちゃんと紙に書いてきたので、皆さんへ今まで黙っていた思いを言いたいと思います。

私はアイドル、そしてこのグループが大好きでした。
だからこそ、このグループに変わってほしかったし、自分がつらかったからこそ、大切な仲間たちに同じ思いをしてほしくないと、すべてを捨てる覚悟で取った行動でした。

事件のことを発信した際、社長には「不起訴になったことで事件じゃないということだ」と言われ、そして今は会社を攻撃する加害者だとまで言われていますが、ただメンバーを守りたい、真面目に活動したい、健全なアイドル活動ができる場所であってほしかっただけで、何をしても不問なこのグループに、もうここには私がアイドルをできる居場所はなくなってしまいました。

目をそらしてはいけない問題に対して、「そらさないなら辞めろ。新生NGT48を始められない」というのが、このグループの答えでした。
だけど、この環境を変えなければまた同じことが繰り返されると思い、今日までずっと耐えて最善を尽くしましたが、私にできたことはほんのわずかなことでした。

私には人の命より大切なものがなにか分かりません。
大切な仲間たちが安全にアイドルをできる毎日になってほしいと、心から願っています。

そして、私がこうして世間に発信してからも、寄り添ってくれたのは、(長谷川)玲奈と、(菅原)りこと、もふ(村雲颯香)でした。
みんなの今後が決まったらこの発表をすると決めていました。
今の私にNGT48のためにできることは、卒業しかありません。
ファンの皆様には、本当に申し訳ないと思っております。

■残るメンバーへ「これからの人生を真っ直ぐに生きて」

たくさんの方が応援してくれて、私のもとには同じような被害に遭った方からのメッセージが寄せられ、私を見て勇気や元気が出たという方もいました。
ですが、結果的にこのような形になったこと、そのような方たちの希望も無くしてしまったんではないかと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
正しいことをしている人が報われない世の中でも、正しいことをしている人が損をしてしまう世の中ではあってはいけないと、私は思います。

たくさんの方が私のために自分の時間を削って、私のことを支えてくれました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今後は皆さんのご自身ために、楽しいことに時間を使い、幸せになってほしいです。
みなさんが私に幸せになってほしいと願ってくれたように、私もそう願っています。

そして、私を今まで支えてくださったファンの皆さん、このような形で卒業することになってしまい、本当に申し訳ありません。
以前のように歌って踊って、毎週のように握手会があって、お互いにに「またね」と言い合いたいのですが、5月5日と6日で最後の握手会となります。
今までお休みをさせていただいた握手会も、そこで振替をさせていただきます。

そこで「またね」の続きができたらうれしいなと思います。
そこでは一緒に夢の話をしましょう。

最終活動日は、玲奈とりこと一緒に5月18日の卒業公演となります。
ケガで今日の公演に出られていなかったりことリハビリを頑張って、またステージで笑顔で、今度は夢に向かって歩いていく姿を皆さんに見せることができたら、うれしいです。

私がこれからできることは、今の苦しい姿ではなくて、笑顔で幸せな姿を見せて、皆さんに元気を与えることだと思います。
みなさんが私を助けてくれたように、私も困っている人に手を差し伸べられる人でありたいなと思います。

そして、今回のことで私はNGT48にならなきゃよかったんじゃないかって、思うこともありました。
だけどやっぱり、こうやってみんなでステージに立って、みんなで公演をして、ファンの方に声援を頂いて、メンバーのみんなやファンの皆さんと出会えたことが幸せです。
NGT48になってよかったと思います。
メンバーのみんなにも、ファンの皆さんにも、これからの人生を真っ直ぐに生きて、みんなには笑顔で笑っていてほしいなと思います。

残り1ヶ月もありませんが、最後まで一人の人として、NGT48として、みなさんに今度は笑顔でまたお会いできたらうれしいなと思っています。
あと少しの間ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

引用:Livedoor NEWS

前代未聞の花道に

突然の卒業発表だけでも衝撃でしたが、さらに衝撃的な展開が待っていました。

山口真帆さんたち3人が卒業を発表してから一夜明けた22日、5月の卒業公演の出演者が今回卒業する3人だけになる見通しであることが分かったのです。

21日のステージでは、卒業の発表以外に「社長から“会社を攻撃する加害者だ”とまで言われている。」といった悲惨な状況を訴えていました。

その訴えも含め、これまでの一連の事件で運営、メンバーとの関係修復が不可能な状況になっていることが明らかになっています。

卒業公演といえば、卒業するメンバーを残されたメンバーで盛大に見送るのが通常です。

それが卒業生3人とファンだけの卒業公演になるということは、前代未聞の卒業公演です。

実際はどういう事実があるのかは分かりませんが、状況だけを考えれば、事実を公表し続ける山口さんを運営側が排除した構図が浮かびます。

ただ、結果的に自分としてはそれで良かったような気もします。
今の組織のままでは、いずれ潰されてしまうでしょうからね。

純粋にアイドルとして頑張って来た山口真帆さん。そしてそれを応援する純粋なファン。単なる賑やかしのメンバーやそのファンがいない、本当の彼女たちだけのステージで次の一歩を踏み出せるのではないでしょうか。