連日、新型コロナ感染拡大と自粛要請の報道が繰り返し流れてきますが、そろそろ前向きな明るい話題がないものでしょうか。
政府もマスクを配ってみたり、ごく一部の国民への現金給付を表明してみたり、挙句の果てには星野源さんと動画でコラボした映像が大炎上しています。
ある意味ネタとしては面白かったですが、今のタイミングであの雰囲気で呼びかけるのは感覚を疑いますね。。。
もう少し国民心情に寄り添った伝え方(パフォーマンス)でも良いんじゃないかと思います。
と、前置きはここまでにして、新型コロナ対策で有用な情報はないかと探していたら興味を惹かれるTwitterの投稿を見つけました。
当院では1ヶ月間、200倍に薄めたの台所洗剤でスタッフ、患者さんに手を濡らして、洗い流さずにいてもらってますが、一人も手荒れ等の深刻な訴えは無い。界面活性剤の凄い点は乾燥しても残り、その後何を触ってもその皮膚にコーティングされた界面活性剤でコロナを殺す可能性が高い。 pic.twitter.com/M7pO7bx5Ku
— ◎スプレー推奨。自己責任で (@blanc0981) April 10, 2020
なんと、『新型コロナウイルスは食器用洗剤(界面活性剤)で消毒できる』という日本の医師からの投稿です!
未だに市場では消毒用エタノールが入手困難な状況が続いていますし、どの家庭にもある台所用洗剤が消毒に使えるなら画期的な方法ですよね!
ただ、デマも良く流れるご時世ですし、簡単には信じられません。
さっそく、この情報を検証してみました。
そもそも界面活性剤とは?
界面活性剤とは、一般にせっけんや食器用洗剤に広く用いられており、物質の境の面(界面)に作用してその性質を変化させる物質の総称です。
これは界面活性剤の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」という2つの性質を持っているためです。
例えば、「水」と「油」といった本来混じり合わないもの同士を変化させ、混じり合う性質に変化させます。
その作用を用いて、汚れを落とす用途に使われています。
また、せっけんや洗剤以外にも、医薬品や化粧品など様々なものに利用されています。
詳しくは花王公式サイト『Q、界面活性剤とは?』をご覧ください。
新型コロナウイルスについて
ウイルスには、エンベロープ(封筒)と呼ばれる膜を持つもの(エンベロープウイルス)と、持たないもの(ノンエンベロープウイルス)の2種類があります。
このエンベロープウイルスには、代表的なものとしてインフルエンザウイルスやエイズウイルスが挙げられますが、新型コロナウイルスもエンベロープウイルスに属します。
そしてこれまでの研究から、エンベロープウイルスの特徴として、アルコール消毒によって感染力を失う(不活化)ことが分かってるのです。
(アルコール成分がエンベロープを破壊し、ウェルスの持つ感染力を失わせる。)
これは新型コロナウイルスも例外ではなく、有効な消毒方法として広く用いられています。
また、同じような理由で『次亜塩素酸ナトリウム』も有効だとされています。
つまり、界面活性剤での消毒が有効だとすれば、界面活性剤成分がウイルスのエンベロープを破壊する効果を持っているということとなのでしょうか?
専門家による研究結果(論文)は?
結論から言うと、『界面活性剤が新型コロナウイルスの消毒に有効』である根拠を探すために国内・海外の研究論文を確認しましたが、今のところその存在は確認できませんでした。
ただ、興味深い情報を得ることが出来ました。
『新型コロナウイルス』はその名の通り、“新型”の“コロナウイルス”です。
つまり類似のコロナウイルスが存在します。
それが、『SARSコロナウイルス』や『MERSコロナウイルス』です。
これらのウイルスは構造的に似通っており、『SARSコロナウイルス』や『MERSコロナウイルス』に対して有効な消毒方法は、『新型コロナウイルス』に対しても有効だと考えられるそうです。
参照: NHK『あさイチ - 新型コロナウイルス いま知りたいこと』
2002年ころに流行した『SARSコロナウイルス』について、研究結果として『界面活性剤』でアルコール消毒と同じ効果が確認できたと、国立感染症研究所が発表しています。
『界面活性剤』が『SARSコロナウイルス』のエンベロープを破壊して無力化することが実際に確認されたそうです。
実験では、界面活性剤が含まれる合成洗剤を水で二百倍に薄めた中に、百万個の同ウイルスを約二分間入れた。その後、ウイルスをサルの細胞に触れさせ感染力を調べると、まったく感染しないことが判明した。
– 2003/11/28 共同通信
「200倍に薄めた合成洗剤」という部分について、これはまさに冒頭で紹介したTwitterと一致します。
おそらく、このツイートは『SARSコロナウイルス』に対して国立感染症研究所が発表した消毒方法を参考にしているものと思われます。
結論
いろいろと調査しましたが、結論として『界面活性剤が新型コロナウイルスの消毒に有効』である可能性が高いと思われます。
実際に新型コロナウイルスでの研究成果は見つかりませんでしたが、類似のウイルスで効果が確認されていることが大きいです。
ただ、冒頭のツイートのように、桶に水を張って手をつける方法は衛生的に問題がある可能性が高いようです。(緑膿菌などの繁殖)
そのため、毎日入れ替える前提で、スプレーボトルに200倍(0.5%)に薄めた食器用洗剤を入れて、アルコール消毒と同様に吹きかけるのが良さそうです。
また、食器用洗剤は基本的に人体に無害ですので、200倍に薄めてあれば塗布後に改めて洗い流す必要はない、とのことです。
今回の調査が少しでも皆様のお役に立ちますように。
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